大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)1971号 判決

原判示のような自動車用揮発油購入券は、需給統制の必要上発行されているものであつて、これを取引の対象とすることは許されないものであり、且つ何ら目的物の対価を表象するものではないから、これに価格のないことは当然である。まして、右購入券が偽造のものである場合においては、その無価格たるべきことは、なおさら言うまでもないところである。物価統制令が物価の安定を確保し、もつて社会経済秩序を維持し、国民生活の安定を図ることを目的とするものであることは、同令第一条の規定に徴して明らかであるから、本来無価格な取引禁止物件であるからとて、同令の対象から除外さるべき理はなく、むしろ、何らかの価格のある取引許容物件以上にその取引が同令の目的とする物価国策を阻害するものと言わなければならない。従つて、原判示のような自動車用揮発油購入券は、それが偽造のものであつても、これを営利の目的で有償譲渡するときは、物価統制令第九条の二に牴触することは明らかである。原判決には、所論のような法令の解釈、適用の誤は存しない。論旨は価格と価値とを混同し、その他物価統制令の法意を誤解した独自の見解であつて、理由がない。

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